砂川恵理歌 オフィシャルウェブサイト

2010.6.29 (火) №158
沖縄県 オリブ山病院 認知症病棟

今回は、今年2月に特定医療法人葦の会の主催するイベントにお招きいただいたご縁がつながり、 その「葦の会」のグループであるオリブ山病院・認知症病棟を訪問させていただきました。
認知症病棟に入院されている方、スタッフ、ご家族の方など50名ほどが集まってくれました。

皆さんとチャプレンのお言葉を聞いた後、ミニコンサートを開かせていただきました。
お年寄りの皆さんが多かったこともあり、「童神」「かごの鳥」「十九の春」などは皆さん一緒にくちづさんでくださいました。
「一粒の種」を歌うと、スタッフも患者さんも涙されながら聞いてくれる方が多かったです。
目を閉じ聞き入ってくれる姿もありました。

車椅子の女性がわざわざ声をかけてきてくれ、
「歌いにきてくれて、本当にありがとう。この歌聴けてとってもよかったです」
と嬉しい言葉をいただきました。
スタッフの皆さんにも
「心が元気になりました。」
と笑顔で言葉をかけてくださいました。
あとから追いかけてきて、わざわざ「ありがとう」の声をかけにきてくれて 握手を求めてくれるスタッフもいました。

実は、今回の訪問が実現するまでには、認知症病棟の看護師長である金城さんと、精神科医の横田先生に大変ご尽力をいただきました。
前述の通り、2月のイベントで金城師長と出会い、「一粒の種」に大変感銘を受けたので ぜひ職場にも歌いに来てほしいとおっしゃっていただいていました。
ただ、訪問にあたって現実的な調整をはじめると、キリスト教を信仰する病院ということもあり、責任者の方から 「歌詞の中の言葉が教えと沿わない解釈がある」とのことで一度断られたようでした。

それでも金城師長は
「この歌を是非うちの患者者さんやスタッフに聞いてほしい、訪問を現実させたい。垣根を越えたい」
と思ったそうで、一度、私と金城師長、横田先生と打合せをしました。
そのあと、再度、金城師長と横田先生が責任者の方に掛け合ってくれ、そしてこの日の訪問が実現したのです。

私がこの歌を大事に歌い届けたいと思うように、 病院側も大切にしているもの(教え)があり、その信念のもと大切な患者さんをケアされています。
だからこそお互いに慎重になります。
大切に思う気持ちはどちらもきっと同じで、そのなかで掛け合ってくれた お二人の熱い気持ちに心から感謝し、受け入れてくれた病院にも心から感謝を感じています。

これまでこんなに数多くのsmile seed projectを重ねてきて、普段は歌手が歌わないようなところでも 多数、歌わせていただきました。
ただそれは簡単なことではなく、その道のりには、たくさんの方の思いもあることに 改めて気づかせてもらった訪問でもありました。

ありがとうございました。

では次のsmile seed projectで。